【初心者向け】 簡単BGP講座 2.構成説明

 
■基礎編
 
 1.はじめに
 2.構成説明
 3.基本Configを入れてみよう
 4.ステータスを確認しよう
 
■アレンジ編
 
 5.as-pathfilterを入れよう
 6.prefix-listを使おう
 7.Configをグループ化
 8.LocalPreference値で経路制御してみよう
 9.VRRP Trackingを組み合わせよう
 10.MED値でお願いしてみよう
 11.NATを併用してみよう
 
■再配送
 
 12.Staticを再配布しよう
 13.BGPをOSPFに再配布しよう
 14.OSPFをBGPに再配布しよう
 
 
 
#####################################################
 
そもそもBGPとは・・
 
技術書で一番ページが多く割かれているルーティングプロトコル。
 
おわり。
 
しかし安心してください。全部が頭に入っていなくても要だけ抑えておけばとりあえず仕事にありつけます。むしろ現場で使うBGPなんて、通信キャリアでない普通のデータセンターならたいていはこんな感じの構成になるのではと思います。
 
 
BGP基本構成 
 
 
自社側は正副で2台ルータがいて、対向も同じく2台。インターネットではなく専用線接続が主なので中間は特に意識しなくてOKです。設計対象は自社側の2台だけ。
BGPは下記の3箇所で動かすことになります。
 
ルータA-C間 eBGP
ルータB-D間 eBGP
ルータA-B間 iBGP
 

 
 
■外部接続では技術よりも双方の事前のすり合わせが重要です。
1 セグメントや接続要件はだいたい外部サイト側が握るので、詳細情報を早めにもらう。
2 2つの接続においてセグメントどちらが正で、どちらが副になるのかを確実に確認しておこう。
3 AS番号、IPアドレス、障害時の切り替わり時間等、細かいことも事前に要確認。
 
などなど。どう構築するかより外部サイト側から情報を早くもらうことに気を使おう。
 
 
■構成解説・要件
・自社側 ルータA,B
 AS番号は30000とする。
 NATは使わない。
 10.3.3.0/24を主系回線とすることで調整済みとする。
 (サーバが接続される)サービスセグメントは、192.168.200.0/24 の1個。それをBGPで配信する。
 渡りを1本敷いてiBGPをやりとりする。
 対向とはeBGPで張る。
 192.168.200.0/24のGWはVRRPで構成、トラッキングは無し。
・外部サイト側 ルータC,D
 (サーバが接続される)172.16.100.0/24のセグメント1個をBGPで流してもらう。
 詳細な内部構成は我々は通常オープンにされず我々は知る必要も無い。
 AS番号は20000。
 

 

 
CCNAの序盤で出てくるので、このページを読んでる方はご存知かと思いますが、AD値は下記の通り。
 
iBGP 200
eBGP 20
 
 
両方からルートをもらっている場合はeBGPが優先されます。
 
通信フローはこんな感じにします。
(VRRPのトラッキングに関しては後述、ひとまず無しとする)
 
GW-20140105-110902
 
GW-20140105-001724
 
GW-20140105-111448
 
GW-20140105-111652
 

 

 
 
物理図、通信フロー、IPアドレスなど基本設計要素はほぼ出てましたが、基本設計書には通常”何を使って重み付けするか”を書きますので、ビールを飲むにはまだ早いです。
 
BGPはとてもオプションが豊富です。色々な制御ができます。だから本が厚いわけです。経路の重み付けをする値のことを”属性”または”アトリビュート(Attributes)”といいます。一番始めは初級向けでweight値を使うことにします。OSPFやSTPのコスト値と同じ感覚です。
 
ごくごく一般的に構築するとルータA,Bは外部サイトへの経路を2通り持つことになります。
 
GW-20140105-005353
 
要件により左側が主系回線となるため、ルータAを出入口にするためweight値による重み付けをします。
 
GW-20140105-104333
 
weight値はデフォルトが100であり、大きい値が優先されます。OSPF,STPのコスト値同様、ルータ個々に設定します。
ルータBは渡りI/Fを200とし、ルータA経由のルートを優先させます。ルータAはAD値によりeBGP経路が優先されるので手動で重み付けはしません。
 
 

 
 
 

コメントを残す

6 thoughts on “【初心者向け】 簡単BGP講座 2.構成説明”