【初心者向け】 簡単BGP講座 11.NATを併用してみよう

 
■基礎編
 
 1.はじめに
 2.構成説明
 3.基本Configを入れてみよう
 4.ステータスを確認しよう
 
■アレンジ編
 
 5.as-pathfilterを入れよう
 6.prefix-listを使おう
 7.Configをグループ化
 8.LocalPreference値で経路制御してみよう
 9.VRRP Trackingを組み合わせよう
 10.MED値でお願いしてみよう
 11.NATを併用してみよう
 
■再配送
 
 12.Staticを再配布しよう
 13.BGPをOSPFに再配布しよう
 14.OSPFをBGPに再配布しよう
  
  
  
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■構成図
 
GW-20140105-055201
 
 
■はじめに
 
BGPにかぎらず外部接続をする際に切っても切れないのがNATです。NATとルーティングとACLを全部Cisco1台でやる時は頭が慣れるまで苦戦するかもしれません。
 
NAT の処理順序
 
Ciscoは処理順番を公開しているのですが、他のメーカーの機器はその手の情報がなかったりして苦労したりします。外部サイトとの接続の場合、たいてい向こうが
 

 
と言ってくるで仕方なく引き受けましょう。NATはルータにとって負荷のかかる機能なので、大きなネットワークだとNATをするためだけのルータを配置したりします。(以前某アメリカ製L3SWでNATやった時は泣いたな)
 
 
 
NATが絡む案件ではこんな図を作って手元に置いておきます。
 
GW-20140105-140910
 
ネットワークの区間毎にパケットのどういう状態になっているか、の早見図です。これが規模が大きいネットワークでもパッと頭に描けるなら初心者卒業といえるでしょう。今回のテストではBGPでルーティングしつつ、ソースNATを下記の要件で実装します。
 
 
 

■要件
 
 10.111.222.32/28を先方指定のNAT範囲とする。
 今回はDynamic NATを使う。
 NAT前 192.168.200.33-46
  ↓
 NAT後 10.111.222.33-46
このNAT要件を今まで作ったConfigに実装してみます。
 
 
 

■実装
 
ルータA,B
  router bgp 30000
  network 10.111.222.32 mask 255.255.255.240
   →NATセグメントを配信
  ip prefix-list AS20000-haihu-list seq 20 permit 10.111.222.32/28
   →AS20000の配信セグメントに追加
  interface FastEthernet0
   ip nat outside
  interface Vlan200
   ip nat inside
  access-list 10 permit 192.168.200.32 0.0.0.15
 
  ip nat pool AS20000-nat 10.111.222.33 10.111.222.46 netmask 255.255.255.240
  ip nat inside source list 10 pool AS20000-nat
   →NATの定義
 
  ip route 10.111.222.32 255.255.255.240 Vlan200
   →outsideからinsideへの戻り通信の際、CiscoではNAT処理が先に来るため、本設定は無意味だが、ベンダーによってもしルーティング処理が先になる場合、NATセグメントは本機に存在しているよ!と明示する。
 
 
  
 
■疎通確認
 

2621XM-C#
2621XM-C#debug ip icmp
ICMP packet debugging is on
2621XM-C#
2621XM-C#
*Jan 13 15:28:07.869: ICMP: echo reply sent, src 172.16.100.1, dst 10.111.222.33
*Jan 13 15:28:08.869: ICMP: echo reply sent, src 172.16.100.1, dst 10.111.222.33
*Jan 13 15:28:09.877: ICMP: echo reply sent, src 172.16.100.1, dst 10.111.222.33
*Jan 13 15:28:10.877: ICMP: echo reply sent, src 172.16.100.1, dst 10.111.222.33
2621XM-C#
2621XM-C#

 
host1からルータCの内部アドレスへPing。正常にNAT後IPが見え、パケットを返している。
 
■Config
 
part11.ルータA_config
part11.ルータB_config
※両機でOS Verが違うため、一部投入してるのに非表示になるConfigがあります。
 ルータA・・15.1
 ルータB・・12.4
 
 
 

BGPとNATが使いこなせれば、かなりのものです。ここで紹介してるのはBGPでも一部ですが、知ってる部分をきっかけにじわじわと知識を広げていけばいいのだと思います。そして最後は、いよいよラスト、再配送です。
 
 
 

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