小さい頃、保育園の先生がお弁当に持ってきていたゆで卵に醤油を垂らして食べていたのが、たまらなく羨ましかった 

 
 
家でゆで卵をたべるときに思い出す。
 
小さい頃、保育園の給食か、なんかの日に先生はみんなと違うものを食べてみた。ゆで卵の殻をむいて醤油を垂らして食べていた。僕は家でその頃ゆで卵だけを食べたことがなかったから、衝撃を受けて今でも鮮明に覚えている。
 
なんてうまそうな食べ方なんだろうと。真似してやってみたらやっぱりうまかった。なぜ親は塩をふって食べる食べ方しか教えてくれなかったのだろうかと。
 
同じように食べ方の衝撃は33歳のときに訪れる。友人らとおしゃれでちょっと高いイタリアンのレストランに行った時。アヒージョンを頼んで、バケットがついてくる。そのお店はフランスパンではなく、バターロールみたいな丸いパンが出てきた。普通はちぎってアヒージョに浸して食べるのだが、その友人はパンの中身をくり抜いて、ポケットにアヒージョの具を詰め込みハンバーガーのような食べ方をして食べてみせた。
 
僕はたまらなく羨ましかった。
 
そんなことを当たり前に高いお店でやろうとやってしまう、型にはまらないその友人の気量と、うまい食べ方を知っていることに。
 
 
食というのはまだまだ探求である。
 
 

 
 

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