【ポエム】 「  」

彼は歩いている。
嫌な事が多い現実に背を向けて
液晶ディスプレイに映る文字を見ながら
自分の本当の居場所はここだと
それが唯一の心の安らぎ。
彼はずっと画面を見ながら歩く。
向こうからやってくる人をうまく交わしながら。
それで彼はうまく歩いているつもりだった。
でも彼の歩き方がうまいから、人とぶつからないのだろうか。
対面からやってくる人は
蔑みや哀れみの眼差しで彼を見つめ、近寄りたくないだけかもしれない。
もしくは彼のこれから進む道を示してくれたのかもしれない。
進むべき道というのは
自分ひとりで切り開くものではないのだと、思う。

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